平成22年度事業報告書
自平成22年4月1日 至平成23年3月31日
Ⅰ.一般事項
昨年は、2年に一度の「青年調理士のための全日本中国料理コンクール」の年に当たり、関係者のご好意により終業間際のホテルパシフィック東京を会場に、総会にあわせてこれを無事盛大に開催することが出来た。 また、①「食養薬膳調理」養成通信講座の開講、②中国料理店検索サイト「食べチャイナ〜美食ナビ」の立上げ、③中国語会話基礎講座の開講を新規事業として開始することができた。
懸案の「食養薬膳調理」養成通信講座は、63名と予想を上回る受講者を集めて9月に開講し、2年間全20回の添削講座の内、年度末までに4分の1を無事消化することができ、比較的順調にスタートを切ることができた。
この講座の修了者には、資格試験を経て「薬膳調理師」の資格が付与され、中国料理業界の発展はもちろんのこと、国民の健康増進、とりわけ高齢化社会に向けての介護食分野等での今後の大きな展望が期待される。
また、少子高齢化と欧米経済の停滞によるわが国経済の退潮傾向により、料理飲食業界の売上げは長期低迷傾向にあり、この状況からの脱却を目指し、中国料理店検索サイト「食べチャイナ〜美食ナビ」を立上げた。年度末を迎え、立上げから半年を経ても、登録店舗数が100店舗にも満たず、せっかく「中国料理界のグルナビ」を目指して立ち上げたサイトが、足踏み状態でいるのは歯がゆい限りである。 業界活性化を目指して、大いに活用することを願って止まない。
中国語会話基礎講座は、中国語会話を必要とする業界従事者に、中国語会話の勉強を始めるきっかけ作りのために遅ればせながら開講した。これをきっかけに、中国語会話のできる業界従事者の増加をひたすら念願するものである。
平成22年度を総括するのに欠かせない出来事は、3 月11 日午後2時46分ごろ、マグニチュード9.0を記録する地震が東北地方太平洋沖で発生したことである。
この地震により引き起こされた津波により、三陸地方のみならず千葉県に至る広い範囲で町が流され、2万5千人を超える死者、行方不明者を出すことになってしまった。
また、津波は福島原子力発電所を破壊し、福島県内は言うに及ばず全世界に放射能を撒き散らす結果を招き、近隣住民は収束時期の見えない避難生活を強いられ、農産物、漁獲物も放射能に汚染され、これに風評被害が加わり、被害の範囲は図り知ることができない。
また、地震の副次的災害として、宴会や外国人の来日の取り消しにより、各地のホテルや会館、レストランは回復不能な程の痛手を被っており、その意味では、日本国民全てが被災者と言うこともできる。
このような中、日中協には台湾、中国などから多額な義援金が寄せられ、被災した多くの会員に支援の手を差し伸べてきている。
被災地の一刻も早い復興を願い、できるだけの支援をすることが弊会の務めでもある。
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