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平成21年度事業報告書

自平成21年4月1日 至平成22年3月31日

Ⅰ.一般事項

 昨年度を振り返ると、八月の衆議院総選挙で自民党が大敗して、民主党に政権が移行した後、新政権は経験不足に加え選挙マニフェストと現実とのギャップに苦しみ、政治、行政、経済が混乱を極めました。
 この結果、国民は不況の渕に取り残されたまま、新政権の進路も定かにならず、旧政権に近づけば新政権の圧力がかかるなど、拠り所のない社会が誕生してしまいました。

 また、近年のわが国製造業の開発途上国への生産拠点移転の結果、世界中から安い商品が押し寄せ、消費不況と相まってデフレスパイラルの中に飲み込まれてしまいました。
 これに加え、少子高齢化に伴う消費の縮小、世界同時不況による消費者の消費意欲の減退、餃子問題で不信感が増大した中国食品の問題等のマイナス要因が重なり、春先辺りの中国料理業界全体が、再起不能を思わせる事態に陥っていました。

 業界従事者は、そんな状況からの脱出を目指し、夏の初め頃から手探りで再生策を実行に移し、多くの店舗がかつての賑わいを取戻して亡新年会シーズンを迎えました。
 この再生策とは、“お客様の予算に合わせ、美味しい料理を提供する”という極めて初歩的なことを実行しただけであり、業界の先人の知恵を拝借したに過ぎません。
  長い間右肩上り経済時代を過ごし、フカヒレやアワビなどを使った高級料理ばかり売ってきた業界従事者にとって、“普通の料理”を売ることにはあまり慣れていません。 普通の料理を普通の値段で売ることに対して、抵抗感を覚えたのは事実だと思います。
  卸売物価指数が昭和三十年代の半ばの数値で推移し、ボーダーレス化で安い食材が国境を越えて大量に輸入される今、店舗運営費に占める人件費の高さは誰にでもわかりますから、誰もが高値で売れる高級料理に傾注するのは当然のことと言えます。
 顧客の多くが会社経費で来店し難くなっている昨今、当然宴会は激減しております。

 そんな中、居酒屋価格に慣らされた消費者でも、酒も料理も他の料理には絶対に負けない中国料理の価値感を良く知っていますから、中国料理店が、居酒屋並の料金で美味しい料理が食べられるとしたら、客足が戻ってくるのは当然のことと言えます。
 “客足は戻ったが単価が上らない”と嘆く業界関係者もいますが、贅沢な悩みと言う他ありません。わずかこの二年ほどで淘汰され、業界から姿を消した店の如何に多いことか。
 マグネット商品を持たない店舗に集客力はないと言われる今日、店舗過多と言われながら、人件費の安さで持ちこたえてきた居酒屋の淘汰が始まり、すし店の多くは回転寿司に取って代わられました。郊外レストランもどんどん姿を消しています。

 そんな中で、客足が戻り、徐々にフカヒレやアワビを注文する客数が増加してきている現状から考えると、中国料理そのものがマグネットであり、中国料理店をマグネット店舗と呼んでも過言ではないと言えないでしょうか。

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